結構な危機感を持っていました。
昨年2024年の1年間は、SEO対策でパソコンに張り付き、考えれる可能性を全てチャレンジする一年でした。

アドレナリン出しすぎて燃え尽きました
いいツアーができていたとしても、それが誰にも届いていなければ事業は継続できない。
集客から逃げることは絶対にできない、と腹を括り楽しみながらもしんどいなーと思いながら、ひたすら向き合う日々。
そして、ある程度オンラインでの施策が形になった段階で、ハッと「接触ポイントはオンラインだけではない」と思い至りました。
過去の自社集客で結果が出ているものには
- SEO
- MEO(Googleマップ)
- デジタルサイネージ
- チラシ
そう、結果は出ていましたがまだ大きく手をつけていない「チラシ」があることにようやく気がつきました。
2024年は一切手をつけていない、つまり配っていませんでした。

まだできるんだよ
そう思い立ち、2025年の春にチラシを配るという、ザ・アナログ施策を実施しました!
もくじ
今回の内容
- チラシの効果を今一度確認
- デザインを依頼する
- ただひたすら配る!
チラシの効果を今一度確認
さて、チラシを最後に配ったのが2023年シーズン。
2024年は全く手をつける余裕がありませんでした。
確かそこそこチラシ経由での予約があったよなー、と思い今一度2023年にチラシを配ったことでの効果を検証するところからスタートです。
まずは印刷枚数などの情報を整理して、費用対効果を確認します。
印刷枚数 | 印刷費用 | 予約数 | |
2023年 | 3000枚 | 6,454円 | 10〜15件 |
- 1件あたりの獲得単価(CPA)
6,454円/10件(15件)=645.4円/件(430.27円/件)
→ 1組あたり約645円(約430円)で集客できたことになります。 - 反応率(コンバージョン率)
10件/3,000枚×100(15件/3,000枚×100)=0.33(0.5)
→ 配布したうちの 0.33% (0.5%)が参加につながった計算です。
2023年の7月頃から予約時アンケートを設けたのでシーズン途中のデータになってしまいますが10件が特定、おそらくそれプラスアルファで何件か入っていたと思われるので最大15件程度がチラシでの流入だったのではないかと思います。
ざっと計算しただけでも、紙媒体での広告としてはどうやらそこそこ優秀な結果だったようです。

なぜ、これを2024年は手放していたのだろう・・・w
3000枚ですが、配布先の記録が残っておらず、うろ覚えなのですが配布は私が担当した記憶があります。
確かその際の配布先は
- 支笏湖のビジターセンターなどの施設
- 支笏湖のホテル
- 新千歳空港周辺のレンタカー会社
3000枚だったのでおそらく20〜30ヶ所に配ったような・・・。
その時は、可能性の高そうな場所を選定してピンポイントで置いてもらえないかのアタックをしたような・・・。

生きるのに必死で本当に記憶が曖昧です
加えて確かお店の前にチラシボックスを配置して、自由に取れるようにしていた気もします。
とりあえず、3000枚は配り切った記憶と実際に残っていないのでちゃんと配ったのでしょう。
効果的な手法であるのは、どうやら間違いなさそうなので今シーズンはこれをフルマックスでやってみることにしました!
デザインを依頼する
さて、まずチラシを作り上げるところからスタートです。
2023年は自前でデザインを行い、印刷し、配布しました。
そのため、印刷代のみで、デザイン費は一切発生していません。
今回も当初はそのラインで進めるか悩みましたが、デザイナーさんの力を借りてみることにしました。
とはいえ、知り合いにデザインができる人もいないのでどうしたもんかと思いましたが、現代は便利な時代です。
フリーランスのデザイナーさんにオンラインで依頼できるプラットフォームを使用して依頼することにしました。
使用したのは「ランサーズ」。
相場がわからないですし、デザインに関しては感性の部分なので判断材料が難しいところです。
目安は予算1〜2万円、高評価レビュー、認定ランサー、あたりを確認しながら選定です。
依頼方式がプロジェクト方式とコンペ形式の2つが選べましたが、コンペ形式で選ばなかったクリエイターの方に申し訳ないのでプロジェクト方式で一社に決め打ちで進めることに。
無事に依頼先を選定し終え、依頼です。
初めての依頼ですので、どう依頼すればいいかをAIに聞いてみました。
結果は
- 目的
- 目標
- ターゲット
- サイズ
- 納品データ
- 配布先
- 印刷方法
といった情報が必要みたいで、整理し提出。
合わせて、写真やロゴ、注意事項などなど必要なデータを提出しました。
そして、出来上がりがこちら!


やはりプロのデザイナーさん、バッチリです!
こういう依頼をする際に個人的に大事だと思うのが、クリエイティブには口出ししない、という部分です。
情報として間違えている部分のみ修正の依頼をし、デザインに関しては信用する。
クリエイティブに関して口出しするのなら自分で作ればいいですしね。
地図とかは無料で作成していただきました。

俄然、いける気がするぜ
続いて納品してもらったデータを印刷です。
これまたオンラインサービスの「ラクスル」で印刷依頼。
何枚印刷するべきか・・・。
今年の意気込みがここに現れます。
据え置きの3000枚でももしかしたら良かったのかもしれませんが、チラシが持つ集客力を最大限発揮できているとは言い切れません。
勝負です。
配れそうなスポットをまずはリストアップ
- 支笏湖のビジターセンターなどの施設
- 支笏湖のホテル
- 新千歳空港周辺のレンタカー会社
- 道の駅
- 札幌ホテル
- 札幌レンタカー
今回の勝負は、札幌のホテルとレンタカーにアプローチすることにしました。
旅行を構成する要素として
- 移動
- 宿泊
- 食
- 体験
この4つがメインになってきますが、その中でもやはり新千歳空港と札幌からアクセスがいい、という支笏湖の立地を使うほかありません。
北海道旅行のメインストリームである札幌でいかに認知を取ることができるか、が今回のチラシ配布の勝負所になりそうです。
そしてリストアップを終了した結果
支笏湖・周辺 | 1000枚 |
空港周辺レンタカー | 1000枚 |
札幌ホテルとレンタカー | 6500枚 |
で合計8500枚を印刷することにしました!
これによって今回のチラシ作成の経費は
デザイン費 | 16,247円 |
印刷費 | 18,854円 |
旅費交通費(仮) | 10,000円 |
合計 | 45,101円 |
さぁ、45,000円がどれぐらいの集客につながるか。
ちなみにランサーズでの業者選定〜印刷〜チラシ到着、まででおよそ14日程度で完了しました。
あとはただひたすら配るのみ!
驚愕しました。
チラシは段ボール3個分。
重さにして50kgを超える質量の物体が届きました。

紙って重いですね
車で配達できる支笏湖・周辺や空港周辺レンタカーは問題なしですが、札幌のホテルとレンタカーは車で配達できません。
とはいえ20〜30kgも持ち歩くのはあまりにも大変。
とはいえ、もう届いてしまったので配るしかありません。
札幌中心部の駐車場に車を停め、そこから持てるだけ持って配布する算段で配布することにします。
配布先はGoogleマップで登録して一つ一つ届けます。

札幌のホテルとレンタカー会社だけで6500枚。
1ヶ所50枚置いていくということにして、全部で130ヶ所。
設置を断られることも考慮し、全部で150ヶ所程度をエントリー。
さぁ、あとはただひたすら配るのみ。
初日は南側のすすきの周辺からスタート。

初日にして足がモゲそうです。
歩数にして30027歩。
パソコン仕事ばかりしていた身としては完全にオーバーワーク。

夜ボロボロの足をさすりながら完全に後悔していました。
とはいえここまできたら、配るしかない。
2日目には札幌駅北側から攻め、大通り方面へ。

なんとか配り切りました。
この日は21574歩。
2日合計51,601歩。
これが予想外にチラシを断られるのが少なく、大通り公園周辺を配る前にチラシがなくなりました。
概ねすんなりとチラシを受け入れてくれるホテルが多かったです。
配布した時期がゴールデンウィーク前の閑散期よりの時期を選定し、受取の確率を上げていったのも功を奏したのかもしれません。
今回の結果

配布は無事に終了し、まだまだシーズンが始まったばかり。
最終結果は出ていませんが、それでも配布から2週間程度でチラシ経由で2件・3名の予約が入りました。

足がモゲそうになりながら配ったので、できればたくさん来て欲しい
このままいけば、おそらく15件〜と2023年よりもチラシ経由の予約は増えてくれるはずです。
チラシのアプローチとしては、旅行者が北海道に来てから目にするという類の「直前系」です。
オンラインは旅行の計画をしている段階がメインで、もちろん近々で情報をオンラインで収集してかのあと出会うという方も多いですが、やはりそれぞれのタイミングに適したアプローチをしておくのが大切です。
Web、SNS、Googleマップで事前に、チラシ、サイネージで直前に、どこからツアーに参加してくれる人と出会えるかは分かりませんのでクロスメディアでさまざまなアプローチをして確率を上げていく。
オンライン全盛期の時代とはいえ、まだまだアナログの可能性も十分にあります。
適切に設定して、最小の労力で最大の成果を上げる。
今シーズンの結果如何で、最適な配布サイズが見えてくるはずですので、継続して様子を見ていこうと思います。
今回の学び

オンライン施策ばかりを行った2024年。
ある程度オンライン施策をやり切ったからこそ、打てる手を全て打つという気合いでチラシというアプローチを行いました。
配布完了後、すぐに予約につながるというレスポンスもあり、どうやら効果があるのは間違いなさそうです。
まだまだチラシの可能性は完全には掴みきれておらず、アナログな分析が難しいですが、どこに配ったチラシが予約につながりやすいのか、ということを突き止めるために支笏湖周辺と札幌はチラシのバージョンを変えて配ってみたり、チラシを持ち込んでくれたら特典を提供するとどういう変化が起こるか、など応用編はまだまだありそうです。
集客は最後「気合と根性だ」ということをしみじみと感じました。
重いチラシを担いで、1カ所1ヶ所頭を下げて周り、足がモゲそうになりながら、なんとか1件の予約を獲得する。
執念を持って仕事にあたるというのは、ビジネスマンとして当然の所作なのではないかと思います。
そんな簡単に集客できてたら日本全国で潰れる会社なんてそもそも存在しませんもんね。
やれることを全てやって、勝つか負けるかのギリギリの勝負。
仕事はこうじゃないと楽しくないですね。

SNSでバズのも夢がありますが、一歩ずつ前に着実に進んでいく方向性も大切ですね